China Beauty Headline|中国の消費者が惹かれる広告トレンド
今回は海外ブランド、日本企業も参考にできる、中国進出の際にヒントになるようなサービス・広告のニュースや事例を引っ張りました。また中国で売れているスキンケアを記事でまとめたので、その要点も紹介しています。
NEWS|セフォラが国産高級ブランドと専売ラインを立ち上げ
Image:Weibo
国産の高級メイクアップブランド「毛戈平(MaoGeping)」は、セフォラと共同で専売ライン「毛戈平・光韵(MAOGEPING・LIGHT)」を立ち上げた。19日にオンラインサイトに掲載され、10月からオフラインで販売予定。新ラインの製品カテゴリーは「毛戈平」のものと似ているが、よりハイエンドなものになっている。ベースメイクから、アイシャドウ、リップスティック、他メイクアップ全般の製品を展開しており、セフォラのTmall旗艦店でも取り扱われる。新ラインを紹介する2分間のキャンペーンビデオは、Weiboで120万回以上再生された。
コメント:「毛戈平」は同名のメイクアップアーティストによるブランドで、その質の高さなどアーティストの実力で売っており、百貨店カウンターを中心に高価格で販売される、国内では支持が高いブランドです。
Image:Tmall
これまでにもセフォラは同様のアプローチでメイクアップブランド「MarieDalgar」と提携し、専売のハイエンドライン「MarieDalgar Color Studio」をリリースしています。このラインは全体的なブランドイメージと価値を高めたと評されています。セフォラはこれまで外資のハイブランドを扱う場で、中国の中では高級感がある化粧品専門店という位置づけでした。そのセフォラと組むことで、国産ブランドはより箔が付くということのようです。一方で国産品の台頭や新たなオフラインショップ、オンラインチャネルの人気上昇で苦戦するセフォラにも新たな引きとなっています。
NEWS|Tmall国際がオフライン美容サービスプロジェクトを開始
河狸家Tmall旗艦店
9月24日、Tmall International(天猫国際)と美容サービスプラットフォーム河狸家がタッグを組み、共同の新サービスを開始すると発表した。このサービスは輸入美容製品を河狸家に所属するプロに提供し、オフライン美容サービスに使用するというもの。現在「ダーマロジカ」など3ブランドのアイテムが提供される。現在、このサービスは北京、上海、杭州でのみ利用可能で、自宅での施術サービスは主要なビジネス地区を対象としている。今後は深セン、成都、中清、広州を含む11都市に拡大される予定。
Tmall International × 河狸家 × 「ダーマロジカ」のサービス
コメント:美容業界メディア「聚美丽」によると、今年8月に河狸家がアリババグループから数億元の戦略的投資を受けていたといい、両当事者によって発表された最初のコラボプロジェクトだと言います。海外ブランドにとっては自社製品を試してもらう(しかもプロの手によって!)いい機会ですよね、今後プロモーションに使えるのでは?日本のスキンケア、チャンスな気がしますがいかがでしょう?また河狸家は医療美容のサービスも展開しており、Tmallで施術を販売しています。
NEWS|MINISOが米国でIPO、グローバルストアを拡大
プライベートブランドを展開する雑貨・ホームブランドのMINISOは24日、コードMNSOでニューヨーク証券取引所に上場するため、米国証券取引委員会(SEC)に申請を提出した。上場による調達資金は、主にグローバルな店舗および小売ネットワークの拡大、倉庫保管およびロジスティクスネットワークのアップグレード、およびデジタルオペレーティングシステムのさらなる改善に使用されるという。MINISOは2013年にスタートし、6月末時点で、中国市場で2,500店舗以上、海外市場で1,680店舗を含む、世界80を超える国と地域で4,200店舗を展開している。
コメント:ダイソーと無印などを足して割ったような店として日本人にかなり衝撃的な店、MINISOがついに上場という驚き。商品棚はダイソーのようですが商品価格は100元のもありつつバラバラで、そこそこ質の良いものが揃っています。化粧品もありますが、大体はパクリアイテムで、質は良くなかったです(今は改善されているのだろうか…)。同社は北欧デザインの別ブランド「NOME」も展開していましたが、こちらも衝撃で、別会社が全く同じ名前・同コンセプトの店舗を展開し、どっちがどっちのお店?状態で争う事態に(傘ありと傘なしとか言われていた、写真参照)。NOMEは10月末で事業を終了します。
广州诺米品牌管理有限公司(左)とMINISOのNOME Image:経済視察報
TOPICS|消費者が惹かれる広告トレンドは?
Image:Weibo
中国の美容ブランド「自然堂(CHANDO)」は、大学の新入生を対象としたキャンペーン「Next Station、Freshmen」を発表した。4分間の短編映画は、2020年前半のパンデミックの中で高校を卒業する3人の経験と奮闘を描くもので、7660万回以上の視聴を記録するなど多くの共感を呼んだ。また同時に、全国の22の大学最寄りの地下鉄駅でキャンペーンのスローガンを掲示。さらにWeiboではキャンペーンハッシュタグとともに、中国の大学入試に関する話題をユーザー間でを共有。人気トップ10の投稿をしたユーザーは、ブランドから“新入生ギフトパッケージ”が贈られる。
コメント:今のコンテンツマーケティングのキーワードは「共感」です。「PROYA」が以前出したヒット広告「若者たちの愛の冒険(趁年轻 为爱去冒险)」も短編映画で若者の共感を呼ぶドラマが展開されました(詳細)し、中国の人気ドラマも同年代や同属性の登場人物への共感がバズの要因となっています。
また、広告トレンドとしてオンラインとオフライン、特に駅やエレベーター広告を同時展開して目にする機会を増やす施策が定番になっています。オンラインのみで同ユーザーに数度みてもらうことはかなり難しいので(ターゲッティングとトラフィックの問題)、地下鉄駅や駅間広告は注目の的となっているんです。中国に行けるようになったら見たいものナンバーワンは、お店よりオフラインの広告かも…。
関連記事:中国で人気のドラマ『三十而已』ヒットは必然だった。裏側には何が?(ほーちゃん @houchaaaaan)
TOPICS|中国の「売れ筋」解説・スキンケア編・フェイスパックは新種が人気
御泥坊 Photo:Weibo
■ 注目ワード:泥パック
最近の傾向として、スリーピングパックのような塗るタイプの製品が増えています。トップ10に入った「御泥坊」は洗い流す泥パックです。新型コロナにより、「洗浄+メンテナンス」の両機能を備えたフェイシャルマスクに対する消費者の需要が大幅に高まり、毛穴のクレンジングに焦点を当てた泥マスクの開発スペースが拡大しました。敏感肌の消費者からの需要も高まっています。
コメント:この記事は、中国では何が売れてるんですか〜?(アバウト…)って質問が多く、書きました。スキンケアの最近のトレンドと、人気注目ブランドを解説しています。本当は多すぎて解説しきれないのですが、結構要素はつまっているはず!書いていて驚いたのは、日本のアイテムの名前の少なさ。確かに小紅書の大賞でも洗顔やコットンは日本圧勝でしたが、他は?もちろん売れているものは多く、ブランドにとっては大きな利益なのでランキングに載らない=ダメということではありませんが、売り出し方などはもう少し工夫していかないといけないのかなと感じてしまいます。
関連記事:【決算書で読み解く】 中国の代表的フェイスマスク「御泥坊」(China Cosmetic Lab)
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Writing : Anna Usui - supported by ‘the Letter’
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