Weekly Global News|ランコムが初のバーチャルストアをオープン

GUがコスメ発売・近年のアパレル発コスメまとめ、そごう西武のコスメサイト、近年のインフルエンサーブランド傾向、最近SNSでバズったアイテムは?新ブランドをチェック
臼井杏奈 2020.08.28
誰でも


「Weekly Global News」は毎週、日本や世界中から出されるさまざまなニュースやトレンドをキャッチしてお届けします。今回はニュースに加え、SNSで話題になった「これバズった」コーナーなどをお送りします。

NEWS|GUが化粧品「#4me by GU」を発売、近年のアパレル発コスメを振り返る

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詳細:ジーユーから初のコスメブランドがデビュー、トータルファッションの提案で客単価向上狙う(Fashionsnap

考察:ラインアップは4種18品で、価格帯は590〜1490円と手頃。公式サイトによると環境配慮されたパーム油を使用し、パッケージ(外箱?)に再生紙を使用しているそうです。発売前ながら既にSNSユーザーの反応は上々で、「日本製だと安心」「サステナビリティに配慮されてていい」という声が多く見られます。とはいえ、同価格帯には「セザンヌ」「キャンメイク」や「無印良品」など強敵も多く、客層は気になるところ。

関連:アパレル発の化粧品は古くから「CHANEL」や「DIOR」など多数ありますが、最近は特に中価格〜低価格帯のブランドや日本企業の動きが活発です。その動きをまとめてみました。

■ 日本のアパレルメーカー参入事例

・アダストリア「CALEIDO ET BICE」2018年8月〜:植物由来の成分で、ストレスの溜まった心と体に寄り添うライフスタイルブランド。高島屋ゲートタワーモール、ルクアイーレなど一部店舗が終了したものの、アダストリア傘下の店舗やロフトなどで展開店舗を拡大。

・サザビーリーグ「GRID」2019年10月〜:ヘアメイクアップアーティストの中嶋竜司氏が監修するメイクブランド。ロンハーマン各店やヘアサロン、伊勢丹新宿本店1階など多様な場所で展開する。「その人自身が魅力的になるメイクアップ」をコンセプトとする。

・ユナイテッドアローズ「JUICE」2020年7月〜:マルチユース性とジェンダーフリーにこだわったボディーケア製品。一部ユナイテッドアローズ店舗とエイチ ビューティ&ユース、公式ECで販売。

■ ファストファッションブランドの参入事例

・H&M 2015年秋〜 記事:WWD JAPAN com

・ZARA「リップスティックコレクション」2018年12月〜:発表時は話題になりましたが、オンライン限定というのもあり日本では拡大しなかった印象。一方、フレグランスは「ジョー マローン ロンドン」とのコラボアイテムが大ヒット。

・STYLENANDA「3CE」:ファストファッションのコスメでは最も成功していると言っても過言ではない韓国ブランド。中国や東南アジアでも人気が高く、2018年5月にSTYLENANDAごとロレアルが買収しました。

NEWS|ランコムが初のバーチャルストアをシンガポールサイトでオープン

Lancome Singaporeの<a href="https://www.lancome.com.sg/whats-new/virtual-flagship-countdown/#virtual-flagship">サイトから</a>

Lancome Singaporeのサイトから

同ブランド初のバーチャルポップアップストアが、シンガポールの公式サイト上で8月28日から9月20日まで開かれる。今回のストアは代表的製品「ジェニフィック アドバンスト」の販促キャンペーンの一環で、コンセプトを反映した体験型コンテンツが用意される。

オンラインとオフラインのショッピング体験を融合した形の店舗には、「Discover(発見)」「Explore(探求)」「Inspire(触発)」「Live(ライブ)」「Shop(購入)」の5つのゾーンが設けられた。各ゾーンでは性格診断やライブチャットボットを使用したカウンセリングなどが体験できる。

元記事:Lancôme’s Virtual Pop-Up To Reinvent The Future Of Beauty Retail Post-COVID(Forbes

Lancome Singaporeの<a href="https://www.lancome.com.sg/whats-new/virtual-flagship-countdown/#virtual-flagship">サイトから</a>

Lancome Singaporeのサイトから

考察:「ランコム」は2019年にAlibaba Cloudと組んでAR(拡張現実)ショップを開きましたが、バーチャルストアはこれが初めて。直近では「DIOR」や「SHISEIDO」も自社サイト内でバーチャルストアを開いた他、三越伊勢丹HDはVR空間のイベント「バーチャルマーケット」に出店していました。

関連記事:構想10年!「バーチャル伊勢丹」発起人の大いなる野望(WWD JAPAN.com

NEWS|そごう・西武がコスメサイト「キレイデパート」をオープン

そごう・西武は8月20日、コスメ情報サイト「キレイデパート」をオープンした。新型コロナウイルスの影響もあり、ECサイトでの売り上げが伸長していることから、ライブ配信やハウツー動画の配信、ニーズに合わせた施策やアイテム提案など、デジタルコンテンツを充実させる。


考察:LINEも11日に、美容情報サイト「lacore(ラコレ)」をオープン。AIを活用し、登録情報や閲覧履歴などに応じてその人に合った記事を表示する他、参加ブランド製品を購入できるECを設けています。館もメーカーも、コロナ禍でライブ配信やテキスト・画像ベースの情報配信がより必要不可欠になり、動きが増えた印象です。

そんな中、C Channelはアプリでのサービスを9月末で終了し、フォロワーの多いSNSでの配信とインフルエンサーサービスに注力すると発表。自社のアプリに人を呼び込むために労力を使うより、TikTokやYouTube、Instagramで勝負する方が得策ということでしょうか。

中国でもアプリ離れが進み、WeChatのミニプログラムへの集約やSNSで発信するケースが増えました。発信方法だけでなく、発信場所も売り場もどこが便利なのか?ユーザー視点が大事ですね(当たり前だけど…)。

NEWS|ジェニファー・ロペスがコスメ立ち上げ、インフルエンサーブランドの傾向は?

ジェニファー・ロペスのInstagram(<a href="https://www.instagram.com/jlo/?hl=ja">@jlo</a>)から

ジェニファー・ロペスのInstagram(@jlo)から

 米・女優のジェニファー・ロペスが、ビューティーブランド「JLO BEAUTY」を立ち上げると自身のインスタグラムに投稿した。ジェニファーが2019年12月24日、米・特許商標庁に提出した書類によれば、メイクアップ製品に加え、乳液や洗顔料、フェイスマスク、スキンセラム、フェイス&ボディークリームなどのスキンケアの商標を申請している。


考察:もはや珍しくもないセレブの美容ブランドですが、振り返ったらこんなに沢山(下記リスト)。昔は香水が主流でしたが、最近はカイリーやリアーナが相次いでスキンケアラインを立ち上げるなど、ケア用品がトレンド。

また、ミリー・ボビー・ブラウン(「ストレンジャーシングス」でブレイクした16歳の女優)は全製品ヴィーガン、リアーナやミランダ・カーのブランドも動物実験をしない(cluelty-free)ブランドで、エシカルな物作りを行っています。

影響力の強い人が自ら発信するのは最近のトレンドですが、個人が前に立つからこそ、その生産過程やブランド理念などに厳しい目が向けられます。日本でもインフルエンサーブランドは増えていますが、サステナビリティやエシカルを前面に出すブランドはまだ少ない印象です。

■ 海外セレブの美容ブランド例

リアーナ「FENTY BEAUTY BY RIHANNA」「FENTY SKIN」カイリー・ジェンナー「KYLIE COSMETICS」「KYLIE SKIN」キム・カーダシアン「KKW BEAUTY」レディー・ガガ「HAUS LABORATORIES」セレーナ・ゴメス「Rare Beauty」(ローンチ準備中)ミリー・ボビー・ブラウン「florence by mills」ミランダ・カー「Kora Organics」ジェシカ・アルバ「Honest Beauty」

■ 日本のインフルエンサーブランド例

MEGBABY「MEGOOD BEAUTY」吉田朱里「B IDOL」古川優香「RICAFROSH」ふくれな「CipiCipi」

関連記事:韓国ロッテがインフルエンサーブランドの育成と独占販売、年間20のローンチを目標(BeautyTech.jp

TOPICS|最近の「これバズった」アイテム

photo from&nbsp;<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000010744.html">prtimes</a>

photo from prtimes

ツイッター、インスタグラムで話題になったアイテムを紹介します。今回はフローフシ「UZU」の新作「UZU 38℃ / 99℉ LIPSTICK <YOU>」(9月18日全国発売、価格2200円)。カラーは7色で色ごとに質感や仕上がりが異なる仕様で、マットタイプや重ね塗りのトップコートや血色感を与えるカラーなどが揃います。

バズり理由は?

リリース前にメルマガ会員向けのプレゼントキャンペーンを実施。お決まりの「詳細は明かさない」戦法で、封入されたのはランダムに配られたリップとポエムカード?のみでした。そのためユーザー同士が「私がもらったのはこんな色・仕様だった」とリアルで詳細な口コミをしあっていて面白かったです。またパッケージが今時なのも拡散された理由。パッケージデザインは本当に本当に重要だと言ってまわりたい。

■ 注目の新ブランドをピックアップ

(日本)「ワフィト(waphyto)」Site

森田敦子氏が立ち上げた日本初の植物バイオメソドロジーブランド。ヴィーガン処方で環境配慮もなされ、トレーサビリティやフェアトレードなど、徹底されたクリーンビューティが特徴。

(スウェーデン)「BYREDO」 Instagram

香水ブランドから遂にメイクアップラインが登場。創設者とメイクアップアーティスト、イサマヤ・フレンチが制作したアイテムはユニークなパッケージのリップ、カラースティック、アイシャドウパレットなどが揃う。10月1日にリリース。商品詳細:EXCLUSIVE: Byredo’s Iconoclastic Makeup Line Is Poised to Launch(WWD

(日本)「ワララ(WALALA)」 Site

「真の美しさは、心と体が安定して生まれてくるもの」がコンセプトのウェルネス・スキンケアブランド。第一弾アイテムは大麻草(ヘンプ)抽出成分を使用した「CBD POINT CREAM」。

■ この記事も読みたい

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・ハヤカワ五味の「イルミネート」生理周期に着目した女性向けサプリを発売(Fashionsnap

・資生堂がMS TeamsやZOOMで最新メイクを楽しめるARフィルター提供、カメラアプリ「Snap Camera」経由(TechCrunch

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こんな形で、「Weekly Global News」は週1お届けします。読み足りない、という意見を頂いたので前回より長めでお送りしましたが、いかがだったでしょうか?

こんな内容が欲しい、質問があるなどのご意見・ご感想、リクエストはこちらまでお願いします。

Writing : Anna Usui - supported by ‘the Letter’

経済紙などで執筆している美容業界ライターが中国の化粧品の最新ニュースから、世界の美容情報を独自の解説や考察をつけて、あなたのメールに無料でお届けします。

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