China Beauty News|FANCLの中国販売権が売却か

中国進出ブランド相次ぐ、その勝ちパターンは?七夕商戦で見られたデジタル施策
臼井杏奈
2020.08.26
誰でも

中国市場はとても移り変わりが激しく、トレンドを追うだけでも至難の技です。そこで「China Beauty Headline」では、最新の注目トピックスとニュースをまとめてお届けします。

NEWS|FANCLのアジア販売権が10億ドルで売却か

記事元:Exclusive: FANCL Asia owner launches sale that could fetch $1 billion

ロイターによると、FANCLの日本を除くアジア独占代理店である(香港)CMCホールディングスは、モルガン・スタンレーを雇って売却の手配を進めている。取引額は10億ドル(約105億円)に上る可能性があり、1回目の入札は9月末までに実施される予定。FANCLアジアの売上の約8割は中華圏で、今年はコロナ禍によるオフライン店の閉鎖といった大きな影響を受けていた。

■ 考察

FANCLの中国進出は、CMCホールディングスの陳志明が1996年にアジアの総代理店となって展開を開始したのが始まり。現在まで24年間パートナーとして、中華圏と東南アジアで200店舗以上を運営してきました。

FANCLは中国で化粧品と栄養補助食品を展開していて、オンライン販売はサプリメントのみ。化粧品は百貨店を中心に店舗販売を続け、2021年3月期第一四半期決算ではEC展開の早期開始が有効としつつも、時期や手段は代理店と協議するとしていました。

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TOPICS|中国進出ブランド相次ぐ、勝ちパターンは?

コロナ禍によるインバウンドの減少、自国の市場の低迷などが後押しとなり、多くのブランドが越境ECで中国に上陸しています。越境ECサイト・Tmall Globalの上半期の新ブランド導入数は前年同期比60%増でした。直近の上陸パターンをまとめます。

■ ヤクルト化粧品 - 日本

7月23日にTmall Global旗艦店をオープン。乳酸菌飲料のヤクルトが中国市場で成功している一方、化粧品としての知名度は低く、SNS投稿数も少ない。ただし乳酸菌を使用した化粧品は注目が集まっているカテゴリーのひとつだ。ヤクルト化粧品の出店は現地の乳酸菌飲料の代理店ではなく、意考飞信息科技有限公司(日本のエフカフェ社・上海本社)がサポートしている。

■ VICTORIA BECKHAM BEAUTY - イギリス

Photo:薇娅Viyaの淘宝ライブ
Photo:薇娅Viyaの淘宝ライブ

7月28日にTmall Global旗艦店をオープンし、エッセンス、アイライナー、アイシャドウなど6SKUを展開する。前日の27日にはライブコマースの女王・薇娅(Viya)のライブにヴィクトリア・ベッカム本人が録画で出演。以前にはキム・カーダシアンも自身のブランドの中国展開に合わせ同様の手法を講じていた。

■ Mecca - オーストラリア

オーストラリアの化粧品専門店「Mecca」は8月19日にTmall Global旗艦店をオープン。この出店により、Meccaのプライベートブランドだけでなく「Frank Body」「Lanolips」など、多くの未上陸ブランドが中国初進出した。5月にはセフォラがTmallに出店し、この際にも「SUNDAY RILEY」など未上陸ブランドが進出している。

詳細:セフォラがTモールに出店 米国では順次店舗の営業を再開(WWD JAPAN.com)

■ TATCHA - アメリカ

ユニリーバ傘下の高級スキンケアは8月18日にTmall Globalに旗艦店をオープン。アメリカ発だが日本に着想を得たブランドで、米や海藻、緑茶など日本に縁深い食材を成分に用いる。今後はW11(独身の日)に商品展開の拡大を予定している。

■ Too Faced - アメリカ

エスティローダー傘下のZ世代向けコスメが7月20日にTmall Globalでオープン。クルエルティフリー(動物実験をしない)ブランドであるため越境ECを選択したようだ(中国では本土展開するための承認の過程や、販売開始後の検査に動物を用いた実験がある)。同様の理由で「Fenty Beauty by Rihanna」や「Kora Organics(ミランダ・カーのブランド)」も出店先にTmall Globalを選択した。

■ 考察

このようにオンラインのみで中国進出するブランドが増えていますが、その中で展開する難易度は上がっています。上記のベッカムのように初期投資を最大限にする、または既に中国国内で認知度がある、全く認知度がなければオフライン展開も併せて行えるかといった「投資」が勝負の分かれ目となっています。

化粧品業界情報の「C2CC」によると、既に中国で人気の高い「CANMAKE」でさえ、売り上げの好調なオンラインに加えてオフラインチャネルの勢いも利用し、ブランドの影響力を発信し続けるといいます。実際に注目の集まる新規の化粧品専門店にも入店をしています。

関連記事:オフラインの出店が急増!中国でリアル店舗が見直される理由(China Cosmetics Lab)

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TOPICS|七夕商戦で見られた様々なデジタル施策

昨日8月25日は「中国版バレンタイン」と言われる七夕でした。この日は恋人たちがプレゼントを(主に男性から女性に)贈るのが定番で、七夕商戦の主戦場であるECには限定品が並びます。

また例年、七夕で行われるマーケティングテストはブランドの今後の戦略資料とされます。化粧品でも用いられるかもしれない、アパレルブランドの「実験」を紹介します。

BURBERRYのWeChatから
BURBERRYのWeChatから

「バーバリー」はARを使用した「お絵かきツール」を作成し、ユーザーが自由に絵を描ける体験を提供しました。

DIORのWeChatミニプログラムから
DIORのWeChatミニプログラムから

「ディオール」は七夕の特設ミニプログラムを設け、そこでアンバサダーであるAngelababyの動画コンテンツを展開。指先(左から2枚目)をタップすると、七夕限定デザインが広がり、商品をレコメンドしてくれます。

中国のベンチャー・ITメディアの「36Kr」によると、WeChatのデータでは「バーバリー」と「ディオール」の合計クリック数は業界平均を遥かに上回ったといいます。

また中国で大炎上した「ドルチェ&ガッバーナ」がついにカムバックし、Weiboの起動時広告を公開しました。広告にはスターを起用せず(できず?)バーチャルアイドルを起用しました。

下半期にはW11(独身の日)やクリスマスなどビッグイベントが控えています。何のブランドも化粧品でも人気のブランドなので横展開されたり、さらに他の化粧品ブランドが取り入れたりすることもありそうです。

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円換算レート:1ドル=105円、1人民元=15円|Writing : Anna Usui - supported by ‘the Letter’

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