Weekly Global News|新しい体験価値を生むデジタル施策の事例
こんにちは、うすいです。メルマガも(これでも)試行錯誤しながらやっており、今日はニュースも多め、トピックスもそこそも多め。デジタル活用に関する話題が多くなりました。
NEWS|アイスタイルが中国進出支援 越境ライブコマースの運営を開始
Photo from prtimes
アットコスメを運営するアイスタイルは美容ブランド向けに、ライブコマースを軸とした日本→中国の商品PRを行う越境MCN*の運営を開始する。またこれに際し、アットコスメの旗艦店「@cosme TOKYO」内のスタジオや、中国EC販売網・外部のライブコマース事業者と連携して、美容情報の発信及び販促をトータルサポートする新会社Over The Border Inc.(オーバー ザ ボーダー)を設立した。
解説:MCN(Multi-Channel Network)とはSNSや動画配信の場において、ライブコマースなどのコンテンツの設計、ライバーやインフルエンサーの育成、外部事業者とのコラボ推進、ユーザー開拓や商品調達などをトータルでマネジメントする事業のこと。中国では一般的な事業で、特にライブコマースの発展と共に注目されている。
コメント:アイスタイルは2012年から中国事業を開始し、15年から越境ECにも参入しています。アットコスメ大賞の知名度も高く、小紅書(RED)やWeiboのブランド広告でも、その受賞が度々報告されています。そのアットコスメの看板を持って配信やプロモーションが行えるのは大きなメリットです。
また運営するMCNでは、外部パートナーとの提携だけでなく、ライバーを自社で育成するそう。どういった人材を育成するのか期待大です。
TOPICS|オンラインだからこそできる価値体験 新型コロナ時代のデジタル活用
新型コロナで浮き彫りになったのは「オフラインじゃなくてもいいこともある」ということ。発表会の一部だってそうだったはず。エディター達は日々、ファッションウイークでもないのに慌ただしく発表会を飛び回っていた。もちろんオフラインだからこその体験は否定しないが、オンラインイベントに内心喜ぶ人も少なくない、はず。
何より嬉しいのは、通常より多くの発表会に出席できる上、研究者や海外マネージャーなど普段は話を聞けない人もオンラインなら登場すること。さらに、新しい体験方法も続々と登場し、オフラインの会より話題になることだってあった。オンラインならではの体験を提供した事例を紹介する。
・FENTY SKIN by Rihanna
Twitterの動画からスクリーンショット
絶好調リアーナの美容ブランドからスキンケアラインが誕生するとあり、バーチャルイベントの気合いの入れ方は凄まじかった。ロサンゼルスの邸宅を思わせる空間には様々な「部屋」があり、オリジナルカクテルレシピが貰えるバーや、商品情報とショッピングリンクが貼られたスパ、さらにDJブースではダンスするメンバーの姿やフロアの人影まで完全再現(?)。強面のセキュリティが招き入れるシーンはドラマの中に入ったような感覚だ。
実際に交流できるビデオとテキストのチャット、いつでもみれるリアーナの挨拶…。ロサンゼルスに行かなくてもその空気を十分体感できるのではないでしょうか?
動画で見てみたい方はこちら
・Marc Jacobs
・We COSMOPROF
美容業界の展示会「コスモプロフ」は10月にデジタルイベントとして開催される。このイベントではAlibaba.comとの協業を発表しており、コラボ仮想パビリオンで製品発表のためのショーケースを企業に提供する。
・Giorgio Armani Beauty
ビデオチャットツールを提供するThe Call Listと組み、バーチャルインフルエンサーイベントを実施。イベントでは事前に試用する製品を顧客に提供し、複数の配信者を用意。ライブで質問に回答した。広報担当者は、同社は今年後半に顧客向けのバーチャル体験も検討していると語った。
・Resess「Press Play」
ヘンプを使用したチルドリンク「Recess」は、デジタルラジオ局Poolside.fmとコラボした期間限定のポップアップイベントを開催。ゲーム仕掛けのイベントは、リラックスムードの音楽を聞きながら流れてくる雲をタップして消すだけ。なんじゃそりゃって感じですが、やってみるとハマる。なんだか軽い瞑想のような体験ができて、製品の試飲はできないのに、まるで「製品が与えてくれるチルを体験」した気分になれます。ブランドのサイトも是非飛んでみてください!
・Lancome「GENIFIQUE」バーチャルストア
以前のメルマガで紹介した、シンガポール限定の期間限定ストアです。
NEWS|ちょっと気になった国内ニュースまとめ
・美容と好相性の「自分で作るキャラクター」コンテンツ
Photo from マトメージュメーカー
まだ「あつ森」熱はアパレル、化粧品共に熱い様子で、「SHISEIDO」はゲーム「あつまれ どうぶつの森」を舞台にしたユーザー参加型のスペシャルムービー制作プロジェクト”Camellia”を発表(prtimes)しました。
参加しやすく、手軽に自分の理想を落とし込めるコンテンツの人気は高く、少し前には強い女メーカーが流行りましたが、昨日発表されたウテナの「マトメージュメーカー」も既に話題に。製品画像が出回るわけではないのに、結果的に「マトメージュとは何か」を多くの人が理解するに至ってます。
・「ジルスチュアート ビューティ」と人気ゲームアプリ『A3!』の初コラボキャンペーン
Image from JILLSTUART BEAUTY
購入者に書き下ろしポストカードや缶バッジを配布する他、キャラクターイメージのメイクアップ提案も。ゲームが人気の中国では増えてきていましたが、日本ではかなりレア。キャライメージ製品などは今後も出てきそうな予感。
・「Shu Uemura」が参加型ライブ配信イベント「Naomi's Social Gifting Live」実施(prtimes)
実際のTwitter配信のスクリーンショット
TwitterとInstagramで同時配信を実施。Twitterから少し見たのですが、一時は8000人超でした(もっといってたかも)。最初は写真上のようなアングルで、コラボ配信の都合上?途中からInstagram画面に。そのせいかTwitterの視聴者はどんどん減っていってました。今の日本でライブ配信の正解はインスタか?YouTubeか?
・美容ウェブメディア「BYRDIE」が初のデジタルマガジンを発行(Cision)
TOPICS|環境配慮でありエンタメ 「LUSH」の“デジタルパッケージ”とは?
Photo from prtimes
パッケージに関して、真に環境配慮を進めるなら、環境配慮型のボトルを作るよりも「何も使わない」方がいい。「LUSH」の場合は固形ソープやバブルバーのように固形化することで、余計な包みをなくしており、今や全製品の6割が裸で売られているそう。そこで、製品情報のラベルを貼るのではなく、スキャンする仕組みを編み出しました。
独自で開発した「Lush Labs アプリ(ラッシュラボアプリ)」には、 「Lush Lens(ラッシュ レンズ)」という機能があります。 この機能を使ってネイキッドアイテムをスキャンすると、 AI(人工知能)が商品を自動認識し、 原材料や使い方などの詳細な文字情報はもちろん、 使い方やバスボムが溶ける様子などが分かる動画コンテンツも閲覧することが可能です。
この機能で昨年、約91万回スキャンされたという。単に情報を見るためにスキャンするのは手間にも思えるが、コンテンツを用意することでエンタメ化するという手法は、様々な場面に応用できそうだ。
例えばポップアップストアに並んだアイシャドウをスキャンすると数パターンのメイクアップ方法が出てきたり、化粧水をスキャンしたらアイドルの特別ムービーが流れたり。わざわざ行きたくなる仕掛けが生まれそう。
後記
DX(デジタルトランスフォーメーション)!アフターデジタル!と叫ばれ(大事なんだけど)デジタルに移行すりゃいいのか、と思う人も少なくない今日この頃。しかし本質的にはこれまでと何も変わっていなくて、ユーザーがどれだけ手軽に、わくわく楽しめるか、体験価値が大事ということなんだと思います。デジタルは「手軽」も「わくわく」も適したツールですから、使われて当然、ということなんだと思いました。
今回いろいろご紹介しましたが、是非一度体験してみてください。この手の話は、読むだけでは理解したことにならないと思います。「Recess」とか、なんじゃこれと思うかもしれませんが、梱包材の「ぷちぷち」を潰すような感覚で楽しくて、私は4回やりました。
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Writing : Anna Usui - supported by ‘the Letter’
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